チランジアを知る

土を使わず育つ理由から、葉のかたち、花、飾り方まで。

白銀色の葉が広がるもの。細い葉がくるりと曲がるもの。糸のように垂れ下がるもの。

エアプランツとして親しまれるチランジアには、思わず見比べたくなる、さまざまな姿があります。

名前を覚える前に、まずはそのかたちを眺めてみてください。育つ仕組みが分かると、飾る場所や手入れの時間も、少し違って見えてきます。

土がなくても育つのは、なぜ?

チランジアは、パイナップル科の植物です。北アメリカ南部から南アメリカにかけて、森林や山地、乾燥した場所など、さまざまな環境に自生しています。

多くは樹木や岩などに着生し、葉の表面から水分を取り込んで育ちます。土に植えなくても育てられることから、エアプランツと呼ばれています。

ただし、土がいらないことと、水がいらないことは別です。生きた植物として、光と水、風通しを整えながら付き合っていきます。

銀色の葉と、緑の葉

チランジアの葉を近くで見ると、白っぽい細かなものに覆われている株があります。これは「トリコーム」と呼ばれる鱗片で、乾燥から身を守る働きがあります。

トリコームが目立ち、葉が白銀色に見えるタイプは「銀葉種」。トリコームが目立ちにくく、葉の緑がよく見えるタイプは「緑葉種」と呼ばれます。

同じチランジアでも、水や光の好みは種類によって異なります。葉の色は観察の入口にしながら、手入れはそれぞれの種類に合わせて考えましょう。

姿で見くらべる、8つのチランジア

ここでは、葉のかたちや伸び方に特徴のある8種類をご紹介します。

種類による違いに加え、同じ種類でも株の大きさや育ち方によって表情が変わります。紹介する種類の在庫状況は、商品一覧でご確認ください。

イオナンタ

Tillandsia ionantha

小さな株に、葉がぎゅっと。

細い葉が集まり、コンパクトにまとまるチランジアです。小さな一株でも、葉の立ち上がりや重なりに個性があります。花を楽しめる種類としても親しまれています。

ハリシィ

Tillandsia harrisii

白銀色の葉が、ゆったり広がる。

葉が中心から放射状に広がり、先端へ向かってすっと細くなる姿が特徴です。正面と上からでは、葉の重なり方が違って見えます。

カプトメデューサ

Tillandsia caput-medusae

うねる葉を、いろいろな角度から。

ふくらみのある株元から、曲線を描く葉が伸びます。名前は、ギリシャ神話のメデューサに由来します。置く向きを変えながら、葉がつくる輪郭を楽しめます。

ブルボーサ

Tillandsia bulbosa

丸い株元と、伸びる細葉。

丸みを帯びた株元と、そこから伸びる細い葉の組み合わせが印象的です。葉だけでなく、株元のふくらみにも目を向けたくなるチランジアです。

アンドレアナ

Tillandsia andreana

細い葉がつくる、やわらかな輪郭。

たくさんの細い葉が広がり、球状の姿をつくります。近くで葉の一本一本を見ると、全体を眺めたときとは違う繊細さが感じられます。

キセログラフィカ

Tillandsia xerographica

幅のある葉が、曲線を重ねる。

大きくカールする葉と、ボリュームのある株姿が特徴です。上から見た葉の重なりも、横から見た曲線も楽しめる、存在感のあるチランジアです。

ウスネオイデス

Tillandsia usneoides

吊るして楽しむ、長い葉の連なり。

細い葉が連なり、長く垂れ下がる姿が特徴です。棚に置く植物とは違い、吊るすことで縦の空間を使った飾り方を楽しめます。

ドゥラティ

Tillandsia duratii

長い葉の先まで、見どころに。

長く伸びた葉の先がカールし、独特の曲線をつくります。葉先まで含めた全体の姿を眺めたい、大きな株の魅力を楽しめる種類です。

飾り方を、株のかたちから考える

置いて、葉の広がりを眺める


器やスタンドを使うと、株全体の輪郭を楽しめます。葉が横に広がる株は、周囲に少し余白を残すと、そのかたちがよく見えます。

置いたままでも、水やり後に風が通るようにしておきましょう。

吊るして、縦の空間を使う

ウスネオイデスのように垂れ下がる種類や、長く葉が伸びる株は、吊るす飾り方も楽しめます。


見た目だけで決めず、光が入り、空気が動き、水やりのために手が届く位置を選んでください。

木と合わせて、着生する姿を楽しむ

コルクや樹皮、流木などと組み合わせると、木に着いて育つチランジアの姿を楽しめます。

木の曲線と葉の流れを見比べながら、置く向きや組み合わせを考えることも、飾る楽しみの一つです。

育てる基本は、光・水・風

光

明るさのある場所で育てます。室内ではレースカーテン越しの光を目安にし、強い直射日光や、夏の高温には注意してください。


水

葉から水分を取り込む植物ですが、水やりは必要です。種類や置き場所に合わせて与え、株元にたまった水はよく切ります。


風


水やりと合わせて、乾くまでの環境を整えます。空気がこもる場所や、エアコンの風が直接当たり続ける場所は避けてください。

水やりの目安や季節ごとの管理、株の様子が気になったときの確認方法は、育て方ガイドにまとめています。

花と子株。その先の姿まで

チランジアの楽しみは、迎えた日の姿だけではありません。育つにつれて葉が増え、花を咲かせたり、子株が出たりすることがあります。

子株を育て、株が連なる姿を楽しむのも一つの方法です。急いで完成形を求めず、日々の小さな変化に目を向けてみてください。

季節ごとの手入れや、育てる中で気になることは、育成だよりでもご紹介しています。

育成だよりを読む

気になるかたちから、一株を

葉の色、曲がり方、広がり方。最初の一株を選ぶ理由は、見た目の好みからでも大丈夫です。

置きたい場所の明るさや広さ、お世話の仕方も確かめながら、暮らしに合うチランジアを探してみてください。